2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21730509
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Research Institution | The Institute for Science of Labour |
Principal Investigator |
余村 朋樹 The Institute for Science of Labour, 研究部, 研究員 (80390772)
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Keywords | 繁忙感 / 産業組織 / 忙しさ / 多忙感 / 支援性 / 制御性 |
Research Abstract |
今日,様々な産業分野で「忙しさ」「繁忙感」が問題となっている。一般的に「忙しさ感」は単純な「業務量」によると考えられているが,組織における繁忙感を考える場合は,業務を行う者を取り巻く組織環境を総合的に捉える必要がある。そこで本研究は,繁忙感に影響を与える要因は何か,さらにそれら要因問の関係はどのように構成されるのかを明らかにするために,これまでの研究で得た繁忙感の影響要因に関する仮説モデルが妥当であるかどうかを検証した。 幾つかの事業所で繁忙感とその要因に関する面接調査を行い,分析した結果,概ね仮説の妥当性が示唆された。但し,仮説の全ての繁忙感要因が,全ての被面接者において認められた訳ではない。そのため,今後予定している質問紙調査では,部署や属性によって繁忙感影響要因に関する結果に差異がないかを念頭において分析することで,新たな知見が得られる可能性がある。 その他,部署内・部署間マネジメントや蓄積的疲労感,モチベーション,さらに,業務の忙しさに対するポジティブ/ネガティブな姿勢と,繁忙感並びにその要因との関係も示唆された。 以上のように,組織における繁忙感要因を確認出来たことは,繁忙感を制御する対策を導出する上で意義がある。また,マネジメントやモチベーションといった,産業心理学として既に研究の蓄積があるテーマとの関連が把握出来たことは,繁忙感という概念の心理学的位置付けを行う際に有益であり,今後の研究の進展の手がかりを得られる結果となった。
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