2010 Fiscal Year Annual Research Report
批判的思考力育成のための同期的・非同期的な複合的ディスカッション環境の開発
Project/Area Number |
21730520
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
沖林 洋平 山口大学, 教育学部, 講師 (20403595)
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Keywords | 批判的思考 / CSCL / 同期的・非同期的ディスカッション |
Research Abstract |
これまで,本科研における研究プロジェクトとしては,下記の研究を展開してきた。1.2大学間における非同期ディスカッション環境の構築,2.大学専門教育および共通教育において有用な批判的思考態度尺度の開発である。 まず,1の「2大学間における非同期ディスカッション環境の構築」では,愛媛大学教育学部富田英司講師,および上智大学理工学部田村恭久准教授との共同研究を展開してきた。その成果は,2010年に開催された第26回日本教育工学会および,第27回日本認知科学会で発表を行った。次の2の「大学専門教育および共通教育において有用な批判的思考態度尺度の開発」については,第74回日本心理学会大会での研究発表やワークショップならびに,第52回日本教育心理学会総会におけるシンポジウムなどで研究発表を行ってきた。 平成22年度の実践研究の結果,批判的思考態度と成績(知識量)の関連としては,全体としては関連があることが明らかとなった。また,高成績者は探究心の得点が高いことが明らかとなった。2大学間における非同期ディスカッション環境に関する研究として,そのうちの1つの大学における2つの授業における授業実践の効果検証を行った。まず,授業後の理解度テストにおいては知識的側面については,クラス間の違いがなかった。一方,理解度に応じてMoodleに投稿されたメッセージのテキストマイニングによる解析を行ったところ,高理解者は,反省的あるいは省察的なメッセージ内容を投稿しているのに対し,低理解者は,素朴な感想をそのままメッセージとしているようなことが明らかとなった。
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