2011 Fiscal Year Annual Research Report
乳幼児の自己主張行動と親の両義的応答の共同発達過程:親の心理社会的状況の視角から
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21730527
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
竹尾 和子 東京理科大学, 理学部, 講師 (30366421)
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Keywords | 乳幼児の自己制御機能 / 親子の共同発達過程 / 自己主張・自己抑制 |
Research Abstract |
調査実施:前年度から継続的行われている幼児とその親を対象とする縦断調査を実施した。調査対象者は調査開始時に2歳~2歳半にあたる子どもとその母親であり、7組の親子に対して、1カ月半に一度のペースで調査を実施した。調査は以下のように実験とインタビュー調査で構成されている。 ①実験:親子で共同してパズルに取り組んでもらい、そこでの親子のやりとりを映像データとして記録した。この実験は子どもがパズル開始から完成にいたるまでの過程を自己制御の過程と捉え、そこで発生する子どもからの自己主張・自己抑制的行動とそれに対する親の両義的応答性(受容と拒否)が如何に子どもの自己制御に織り込まれているかを明らかにすることを目的としている。 ②インタビュー:母親に対して実施し全調査から今回の調査までの子どもの自己主張または自己抑制行動に変化があったか、またそれに伴って親からの対応に変化があったか等について自由に回答してもらった。更に、その調査時に記録された実験の映像を母親に見せ、そこでの親子のやりとりについて自由に語ってもらった。これにより親子の自己制御の共同発達過程の背景をなすと考えられる親の価値観を明らかにするとともに、親子のやりとりとその背景となる親の価値観が、親子のどのような生活状況に結びついているかなど生態学的理解を目指した。 調査の整理と分析:主にインタビューデータの音声データを文書化し、それをもとにコードを設定し、コードによる分析から理論構築を開始し、現在その精緻化を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度においては調査の実施およびそこで得られたインタビューデータの整理と分析を主な目的としている。平成23年度の計画については、ほぼ完了したことから、上記の区分となった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度においては、平成23年度までの調査を継続的に実施するとともに、平成24年度までのインタビューデータの分析と総括、観察データの整理および分析を目指す。ただし、そのうちの観察データの整理および分析が滞っており、平成25年度にこれらを実施することになっている。
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