2012 Fiscal Year Annual Research Report
サクセスフル・エイジングの心理的側面への直接影響要因およびその緩衝要因の解明
Project/Area Number |
21730540
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Research Institution | 独立行政法人国立長寿医療研究センター |
Principal Investigator |
丹下 智香子 独立行政法人国立長寿医療研究センター, 予防開発部, 研究員 (40422828)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 生涯発達 / サクセスフル・エイジング |
Research Abstract |
本研究は「国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究(NILS-LSA)」の長期縦断調査データを用いて、サクセスフル・エイジングの心理的側面である「主観的幸福感」を高く保つための直接影響要因およびその緩衝要因を検討するものであった。 1.データ収集:NILS-LSAでは、約2年ごとの測定間隔で縦断調査を実施してきた。今年度も第7次調査として、40~90歳代の地域住民を対象に、自記式調査票・面接調査により、主観的幸福感、および説明変数として使用するデータの収集を行った。 2.研究成果:NILS-LSAの第6次調査までのデータを解析に用いた。(1)男女とも成人後期において、日常生活活動能力(ADL)が高い場合、および自己の経済状態や健康状態を肯定的に評価している場合に幸福感が高く、さらに男性では、配偶者がいることが高い幸福感につながることが示された。ADLと個人背景要因(健康度、経済状態、配偶者の有無)の交互作用に関しては、ADLが低下した場合には、健康や経済状況などの要因が主観的幸福感に対して持つプラスの効果が押さえられ、マイナスの効果がより大きくなる可能性が部分的に示唆された。(2)成人後期における、主観的幸福感に対する配偶者の有無と対人関係の影響を検討した。男性では良好な対人関係を持つことや配偶者がいることが直接的に高い幸福感につながるが、さらに配偶者の存在が、良好ではない対人関係をもつ場合に生ずる幸福感の低下を防ぐ可能性が示唆された。他方女性では、良好な対人関係をもつことが高い幸福感につながることは示されたものの、配偶者の有無と対人関係の交互作用は示されなかった。 これらの知見は加齢に伴う主観的幸福感の低下を防止する要因の一端を示すものであり、高齢者が幸福な人生を全うするための、重要な示唆を含むものと考える。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)