2011 Fiscal Year Annual Research Report
大学生に対する心と体の統合的成長支援プログラムの実証的研究
Project/Area Number |
21730544
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
足立 由美 金沢大学, 保健管理センター, 講師 (30447677)
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Keywords | 心と体の健康教育 / コミュニケーション / 学生支援 / 食育 / ファシリテーション / 教育効果 |
Research Abstract |
本研究の目的は、「心と体の育成による成長支援プログラム」の実施により、どのような教育効果があったのか、というプログラム全体の評価と、ひとりひとりの学生がどのような発達的変化をしたのか、という個人を中心とした評価を行うことである。 本年度は、教育方法の違いによる効果の再分析と、データベースを用いて特定の学生たちのプログラム利用をプロスペクティブに分析し、学生相談・メンタルヘルスケアへの相乗効果について成果の発表を行った。また、国際学会に参加し、意見交換を行った。 教育効果の再分析の結果、課外プログラムは自分の関心のあることについての気づきは大きいが、他者や集団への関心を高めるのに十分でない内容のものがあること、健康状態について考えるための知識を得るには講義形態のほうが教育効果があることなどが示唆された(足立ら、2011)。 プログラムと学生相談については、1)2007年度から現在までの学生相談件数の推移を分析することで量的に確認し、2)2008~2011年度に健康診断でチェックした学生のその後を質的に確認した結果、これまで支援できなかった層に支援を広げる結果となったことが示唆された(足立ら、2012)。 その他、シンポジウムにおいて、香りを用いた体験学習によって学生の主体性や自我の形成を促進する可能性について発表し、依頼講演において、精神疾患や発達障害のある多様な学生に対するネットワーク支援として、本プログラムが果たした役割を報告した。 来年度は、これまでに実施した教育・実践を整理し、その成果を総合的に分析し、学術雑誌等で発表する予定である。また、国際学会での発表が決定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的であるプログラム全体の評価と学生の発達的変化の評価について、毎年成果を発表してきている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的は、学生の成長や学生への教育的効果を測定することであるが、対象である学生に不利益が生じない範囲で行う必要があり、計画どおりデータがとれていない部分もある。データが蓄積するのを待ち、分析を継続する予定である。
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