2010 Fiscal Year Annual Research Report
学校ー警察間連携の促進を目指した初期非行に対するアセスメントシステムの開発
Project/Area Number |
21730560
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
松嶋 秀明 滋賀県立大学, 人間文化学部, 准教授 (00363961)
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Keywords | 学校 / 警察 / 連携 / 生徒指導 / 少年非行 |
Research Abstract |
平成22年度は警察、学校教師へのインタビュー調査を続行しつつ、また、警察生活安全課の補導職員に記述式のアンケートを実施した。前年度末におこなわれたインタビューの結果に基づいて分析をおこなった。双方に求める役割について聞いたところ、学校から警察にむけた期待としては「抑止力=歯止め」や「子どもをとりまく支援者の1人(つながれる人々を増やすこと)」であるとまとめられる。とはいえ、警察の動きが遅く、学校の大変さを理解していないのではないかという不満もあった。こうした不満は、警察との関わりの少ない学校の方が多いのではないかと予想される。他方、警察から学校に対しては適度な情報共有がはかられ、また、少年についてのイメージを共有できることが重要であると考えられていた。「子どもをとりまく支援者の1人」として警察をみている教員には、普段からのマメな情報交換が連携のしやすさに結びつくという考えや、警察に頼る以前に、校内体制を充実させていくことの重要性を指摘するものもいた。以上のことから、学校は警察の「力」を過大視しており、警察は学校が抱える「不安」を過小評価するというディスコミュニケーションがあること、連携には〈公式〉のつながりより〈非公式〉なつながりが大きな意味をもつことが示唆された。こうした結果の一部は国内学会で発表された他、警察職員を対象とした研修会を通じてフィードバックされ、連携についての理解を深めた。次年度以降、具体的に改善していく必要性が確認された。
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Research Products
(6 results)