2010 Fiscal Year Annual Research Report
若年労働者のキャリア意識、職業性ストレスが離職に及ぼす影響に関する縦断的研究
Project/Area Number |
21730565
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Research Institution | J. F. Oberlin University |
Principal Investigator |
種市 康太郎 桜美林大学, 心理・教育学系, 准教授 (40339635)
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Keywords | 若年労働者 / 離職 / キャリア形成 / キャリアアダプタビリティ / ストレス |
Research Abstract |
(研究1)若年労働者のキャリア意識形成、職業性ストレスと離職と関する文献研究 若年労働者のキャリア意識形成、職業性ストレスと離職の中でも、キャリア意識の形成に関連する要因の検討を行った。文献研究の結果から、Savickasが提唱するキャリアアダプタビリティ(CA)の概念が、大学生から若年労働者の年代における鍵概念となることが示唆された。そのため、CA尺度の日本語版の開発および、尺度による縦断的調査が有効と判断した。 (研究2)CA尺度日本語版の開発、および、キャリア教育による大学生のCAへの影響の検討目的:SavickasによるCA尺度日本語版を開発し、信頼性と妥当性を検証した。また、キャリア教育に関する授業を履修した大学生にCAを縦断的に実施し、CAの変化を検証した。方法:対象は大学生511名であった。うち、キャリア教育の授業を春学期と秋学期に履修した者は340名(Gr1)、秋学期のみ履修した者は171名(Gr2)であった。結果:探索的因子分析の結果、尺度項目の因子所属はSavickasによる結果とは異なっていた。しかし、Savickasの分類でも十分な内的信頼性が確保されたため、続く分析はSavickasによるもので行った。Gr1のCAの得点は春学期よりも秋学期において上昇した。しかし、秋学期におけるGr1とGr2の得点に有意な違いは認められなかった。授業の出席率とCA得点との間に明確な関連はなく、授業の出席者が欠席者よりもCA得点が低い場合もあった。考察:尺度項目の因子所属がSavickasの結果と異なった理由として文化的相違が考えられる。Gr1の縦断的比較から、就職時期に近づくにつれて大学生のCAが上昇する可能性が示唆された。今後、同じ対象を追跡調査し、職業性ストレスや離職との関連を検討する。
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