2011 Fiscal Year Annual Research Report
不登校・ひきこもりの青年に対する実証的アセスメントおよび介入研究
Project/Area Number |
21730574
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
大対 香奈子 近畿大学, 総合社会学部, 講師 (80509927)
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Keywords | 不登校 / ひきこもり / 青年 / 学校適応 / 社会的コンピテンス |
Research Abstract |
本研究では、大阪府の不登校・ひきこもりの青年が入所・通所する施設において、ソーシャルスキルトレーニング(Social Skills Training;以下SSTとする)を実施し、その効果を検証することを目的とした。特に平成23年度には、個別のニーズに対応したトレーニングの実施に焦点を当て、個別のアセスメントに基づく「プログラムの作成」、「プログラムの実施」、「プログラムの評価」という三部構成で進められた。 個別のアセスメントについては、トレーニングを開始する直前の5月に、施設職員によるトレーニング参加者のソーシャルスキルの評定を行った。また、参加者自身によるソーシャルスキル、対人不安、ストレス反応の評定も実施した。アセスメントの結果、不登校・ひきこもりの履歴のある青年は、一般高校生に比べて全体的にソーシャルスキルが低いことが明らかとなり、その中でも特に「主張すること」「自分の考えや気持ちを表出すること」「相手との関係を維持すること」においてスキルの低さが目立っていた。このようなトレーニング参加者のスキルの特徴に基づき、主張するスキルとしての「頼むスキル」「断るスキル」、また気持ちや考えを表出するスキルとしての「話し合いスキル」などを申心的に取り上げ、トレーニングを実施した。1セッションは90分で、1年間にわたり合計23セッション行った。毎回のセッションへの参加者は4名~14名であり、トレーナーは施設の職員が務めた。毎セッション後には施設職員とのミーティングを行って、各参加者のトレーニング中の状態などを話し合い、次のセッションで必要な個別の配慮等について検討した。 SSTの効果検証については、毎セッションの前後にその日に取り上げるスキルの自己評定を実施し、また5月からの変化を検討するために、全セッションが終了した3月時点での職員評定によるソーシャルスキルおよび、参加者自身のソーシャルスキルや対人不安、ストレス反応の評定を行った。職員評定についてはデータ回収中であるが、自己評定についてはほとんどのスキルにおいて評定値の上昇が見られた。
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