2010 Fiscal Year Annual Research Report
主観的ウェルビーイングの向上による心理生物学的ストレス反応低減に関する実証研究
Project/Area Number |
21730577
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Research Institution | Tokyo University of Social Welfare、Junior College |
Principal Investigator |
田中 芳幸 東京福祉大学短期大学部, こども学科, 講師 (50455010)
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Keywords | 主観的ウェルビーイング / 対人的相互作用 / コミュニケーション / 生活習慣 / 健康関連行動 / いきいき度 / ポジティブ感情 / ネガティブ感情 |
Research Abstract |
結果と考察 改訂-いきいき度尺度(PLS-R)(田中ら,2006)の下位尺度ごとに統計学的解析を行ったところ,コミュニケーション群で「満足感」の向上が認められた。人的交流で幸福を感じる者が多いように(大坊,2002),他者との接触を増やすことそのものが生活全般に対する幸福感や満足感を高めたと考える。一方「気分転換」は,コミュニケーション群では向上し,睡眠・食行動群では低減するという逆方向の効果が確認された。コミュニケーションは気分を切り替えるきっかけとなるが,生活習慣の改善を優先させることで気分の好転が妨げられたのかもしれない。また,どちらの群でも「チャレンジ精神」が向上したことから,課題への取り組み自体が全般的なチャレンジ精神の向上に波及したと考える。「ネガティブ気分」は睡眠・食行動群のみで低減効果が確認され,生活習慣の悪さと抑うつ気分の関連(増田ら,1996 et al)が改めて示された。 研究成果の意義 介入の簡便性を考慮してセルフヘルプによる主観的ウェルビーイングの向上を目指しているが,平成22年度は「対人的相互作用の増加」と「睡眠・食習慣の改善」の2種類の介入方略について対照群との比較を含めて検討した。主観的ウェルビーイング向上効果の程度や持続性を比較すると,主観的ウェルビーイングのポジティブ側面向上のためにはコミュニケーションの増進が,ネガティブ側面低減のためには睡眠・食行動の改善がより効果的な取り組みであると考える。このように主観的ウェルビーイングを構成する要素ごとに改善するための適切な方略が異なることを示したことは,今後の主観的ウェルビーイング向上を目指した方略を適切に選択するための有意義な知見といえる。平成23年度はより適切な主観的ウェルビーイング向上方略についての詳細な検討を進め,その後の主観的ウェルビーイング向上とストレス低減の関連性の検証に繋げたい。
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[Presentation] DEVELOPMENT OF JAPANESE LANGUAGE VERSION OF THE TRANSTHEORETICAL MODEL(TTM)-BASED STRESS MANAGEMENT PROGRAM FOR COLLEGE STUDENTS2010
Author(s)
Akira Tsuda, Setoshi Horiuchi, Toru Morita, Euiyeon Kim, Ke Deng, Ayumi Togawa, Hisayoshi Okamura, Yoshiyuki Tanaka, Shigeko Tsuda, Kerry Evers, Janice M.Prochaska
Organizer
The 11th International Congress of Behavior Medicine
Place of Presentation
Washington DC
Year and Date
20100804-20100807
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