2009 Fiscal Year Annual Research Report
森林環境における超音波成分の疲労回復効果に関する研究
Project/Area Number |
21730581
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Research Institution | Yamanashi Institute of Environmental Sciences |
Principal Investigator |
石田 光男 Yamanashi Institute of Environmental Sciences, 環境健康部, 研究員 (00443432)
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Keywords | 森林環境 / 超音波 / 自発脳波 / 周波数解析 |
Research Abstract |
目的 森林環境にて採取した4つの音響素材(緩流、急流、人工池、小雨)を用いて,出力サンプリング周波数44.1kHzの可聴閾条件と192kHzの超音波条件を設定した.これらの音響素材聴取時におけるα波誘導効果の比較を行った. 方法 聴覚機能および精神障害のない健常成人20名(男:女=9:11,年齢21.3±3.1歳)を被験者とした.音刺激はコンピュータによって再生され,オーディオアンプを介し,スピーカー(S-A77TB;パイオニア製)から出力された。この時、最大音圧を調査地と同じ音圧レベル(60~70dB)になるよう調整した.実験は条件毎に安静時(5分),音聴取(8分),事後測定(4分)から構成された.脳波は,生体信号収録装置によって8部位(F7,F8,C3,C4,P3,P4,T5,T6)から導出され,デジタル記録(500Hz)された.そしてFFTにより0.195~50Hzまでのパワースペクトルが求められた。さらに条件別にα1(8~10Hz)、α2(10~13Hz)、β(13~30Hz)の帯域毎にパワー値を算出した。 結果と考察 安静時から聴取時のパワー値の変化量を求めた.その結果,超音波条件において前頭,中心-頭頂領域(F7,F8,C3,C4)のβ波帯域において,パワー値の増加が認められた.またα2波帯域においては僅かに増大した。しかしα1については顕著な差が認められなかった.これらの結果は,超音波成分暴露によるスペクトル密度の増加は,α波帯域に限定されず,10Hz以上の周波数帯に影響する可能性を示唆している.
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