2009 Fiscal Year Annual Research Report
漢字認知における構成部品の意味的・音韻的情報の活性化の検討
Project/Area Number |
21730590
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
藤田 知加子 Hamamatsu University School of Medicine, 子どものこころの発達研究センター, 特任助教 (70300184)
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Keywords | 単語認知 / 語彙判断課題 / 左右分離漢字 / 音韻典型性 |
Research Abstract |
本研究の目的は,以下の2点である。 1, 漢字を構成する部品に含まれる意味情報と,その部品を含有する単漢字自身の意味情報との一致性を明らかにし,データベース化する。 2, 漢字構成部品の音韻的情報および意味的情報が,漢字全体の認知よりも前に活性化されるか否かを明らかにすることを目的とする。 本年度は申請時の計画に準拠し,以下に報告する1つの調査と1つの実験を実施した。 調査1:漢字の構成部品に含有される意味と単漢字の意味との関連性に関する調査 JIS第一水準に含まれる漢字のうち,左右の部品に分離可能な漢字1668字を対象に,これら1668字とその漢字に含まれる1000種類余り(左部品247種類,右部品860種類)の漢字部品を用いて,単漢字の構成部品が有すると判断される主観的意味と,その部品で構成される単漢字が有すると判断される主観的意咲との類似極の程度を大学生に評定きせ,その一致性を確認した。この調査の途中結果については,平成21年12月に開催された日本基礎心理学会で報告した,その後,データ数をさらに追加し,偏は意味を担うと考えられている一般的事実が,如何なる漢字に当てはまり,如何なる漢字には当てはまらないのかを明らかとするとともに,それらをデータベース化した。このような言語材料に関するデータベースは十分には整備されていないため,本調査の結果は他の様々な研究への資料として重要な意味を持つ。 実験1:「右部品と単漢字との音韻的一致性および結合可能部品数の多寡が語彙判断課題に及ぼす効果の検討」 研究実施計画では平成22年度に実施する予定であった「右部品と単漢字との音韻的一致性および結合可能部品数の多寡が語彙判断課題に及ぼす効果の検討」を21年度に実施した。その結果は,平成22年度の日本心理学会にて「左右分離漢字の構成部品の音韻典型性が語彙判断に及ぼす影響」として発表予定である。
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