2010 Fiscal Year Annual Research Report
視覚と前庭感覚のオンライン制御による知覚・行動連関の解明
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21730592
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
北崎 充晃 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90292739)
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Keywords | 自己運動知覚 / 姿勢制御 / 視覚 / 線形加算モデル |
Research Abstract |
知覚・行動連関のダイナミックな特性の解明を目的として,視覚刺激と電気前庭刺激をリアルタイムで操作し,身体運動とオンラインで連動する実験装置・手法を用いて,自己運動感覚,姿勢制御,歩行進路,進行方向知覚,および進行方向操作等に関する心理物理学的知覚・行動実験を行うことを目的とした。特に,視覚と前庭の線形加算モデルおよびフィードフォワード制御とフィードバック制御の線形加算モデルの構築と検証を目指す。初年度に開発した「身体運動をモニタし,それに連動してオンラインで視覚刺激および電気前庭刺激を制御する実験システム」を用いて研究を行い,以下の成果を得た。 (1)フィードフォワード制御とフィードバック制御の重み付け線形加算モデルの検討 歩行時にランダムなタイミングで視覚刺激と電気前庭刺激を提示し,その歩行経路(のずれ)を計測した。その結果,視覚情報と前庭情報を重みづけ線形加算して歩行経路を制御していることが示された。ただし,個人差があり,個人差を考慮したモデルを用いてフィッティングを行った。 (2)フィードフォワード制御とフィードバック制御の重みの可塑性検討 身体運動に連動してオンラインで視覚刺激・電気前庭刺激に介入制御を行うシステムを用いて,7日間の順応実験と,それによって生じる個人のモダリティ間重み付けの変化を定量的に分析した。実験は昨年度終了し,今年度はモデル化,フィッティング,および原著論文執筆,改稿を行った。 こうして得られた知覚・行動連関の可塑性の時空間特性に関する知見は,将来の人の行動支援を行う工学機械の開発や知覚・行動連関の障害の診断・リハビリテーションに貢献することが期待される。
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Research Products
(6 results)