2009 Fiscal Year Annual Research Report
異なる感覚モダリティ間・属性間の時間比較を可能にする脳内情報処理機構の解明
Project/Area Number |
21730606
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
藤崎 和香 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 人間福祉医工学研究部門, 研究員 (20509509)
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Keywords | 同期・非同期弁別課題 / バインディング課題 / 時間知覚 / 視聴触覚相互作用 / 主観的同時性 |
Research Abstract |
時間的な同期性は異なる感覚モダリティ間の情報を統合して一体感のある知覚世界を構築するための重要な手がかりである。本研究は、物理的・生物学的な時間のずれや、誤対応、組み合わせの爆発といったさまざまな困難を乗り越えて異なる感覚モダリティ間の時間比較を可能にしている人間の脳内情報処理機構を、心理物理学的実験手法を用いて解明することを目的としている。本年度は、これまで視聴覚の同期性判断に関して得られてきた知見が、触覚を含んだマルチモダリティの同期知覚全般に拡張できるかを検証するために、視聴覚、視触覚、聴触覚のモダリティの組み合わせについて、同一被験者、同一実験装置を用いて、同期・非同期弁別課題を行って比較した。視覚属性として3種類(色、輝度、方位)、聴覚属性として1種類(音高)、触覚属性として1種類(左右の指への振動)を用いた。実験の結果、聴触覚の組み合わせの同期・非同期弁別の時間周波数限界が視聴覚、視聴覚の組み合わせよりも高くなるが(聴触覚の組み合わせでは視聴覚、視触覚の組み合わせよりも小さな時間ずれが判断できるが)、時間応答特性が特異的に高いことを除いては、聴触覚の同期知覚は視聴覚の同期知覚とよく似た特性を示すことが明らかになった。具体的には、聴触覚の組み合わせにおいても、視聴覚の組み合わせの同期知覚と同様に、トップダウンの注意による対応付ける特徴の選択が可能であることや、対応付ける刺激の属性を変えても同様の結果になるという属性普遍性が見られることが明らかになった。
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Research Products
(3 results)