2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21730610
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
光本 滋 Hokkaido University, 大学院・教育学研究院, 助教 (10333585)
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Keywords | 大学ガバナンス / 大学の自治 / 大学法人 / 大学職員 |
Research Abstract |
今年度は、大学ガバナンス(大学の自治)に関する法制の運用、および非制度的な活動領域を構成する理論を検討し、その一般論と類型を提示することにとりくんだ。また、背景理解のために、高等教育政策の歴史的・理論的総括を行うとともに、大学法人法制の運用の実態の分析を行った。 研究成果は、次の三点に要約される。 (1)ガバナンスの担い手の一員である大学事務職員の研修の成果と課題についての検討を行った。2006年度から北海道大学大学院教育学研究院と同高等教育機能開発総合センターの共催によりはじめられた大学職員セミナーの実施状況についての総括を行い、コンセプトとしてきた教職協働および自主研修、北海道におけるセミナーの発展方向を探った。 (2)国立大学法人評価の動態の解明を行った。第1期中期目標期間の国立大学法人評価は、評価委員会の実施要領が定めた評価の目的、評価結果の利用に関する原則を逸脱している。このことが総務省の政策評価の枠組みの中において行われている実態を明らかにし、国立大学法人評価を活動の主体的な改善につながる評価にするために、あらためて国立大学法人の独立行政法人通則法の枠組みからの解放をあらためて課題としなければならないことを指摘した。 (3)大学の定款・規則等の分析に基づき、公立大学の再編・統合および法人化の過程の特徴を明らかにした。公立大学法人制度は、国立大学法人に比べてさまざまなバリエーションがあるが、その相違は、行政改革に端を発した大学の再編・統合、ガバナンスのドラスティックな改革を目論んだ組織運営および人事制度改革等と結びついている。
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Research Products
(2 results)