2010 Fiscal Year Annual Research Report
教員養成カリキュラムの「理論と実践の統合」に関する史的研究
Project/Area Number |
21730618
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
藤井 基貴 静岡大学, 教育学部, 准教授 (80512532)
|
Keywords | 教員養成史 / 近代ドイツ / カント |
Research Abstract |
本研究の目的は、「理論と実践の統合」を高める教員養成システム構築のために、英米圏の改革モデルとは異なる改革モデルを有するドイツに注目し、その特徴を歴史的・思想的な視点から分析することによって、ドイツの到達点と課題を明らかにし、現在すすめられている日本の教員養成改革を評価・改善するための批判的視座を獲得しようとするものである。初年度はドイツでの研究調査を中心に研究をすすめ、2年目となる今年度は英米圏の改革モデルを検証するために、アメリカでの研究調査を実施し、その成果をもとに授業実践を行った。具体的には、1.アメリカ・ネブラスカ大学教育学部学部長へのヒアリング、2.オマハで開催された国際学会での研究発表、3.国内で学会発表および研究会(2010年3月)の企画開催、4.模擬大学および教職科目の授業づくりである。 1.ヒアリングではアメリカの教員養成制度の理念とカリキュラム内容について情報提供をうけた。2.国際学会「Global Studies Conference」では哲学セクションにおいて、日本の教育学が西洋の思想から歴史的にいかなる影響をうけて生成発展してきたのかについて報告を行い、その成果を論文としてまとめた。3.国内では、教育学の歴史において哲学がどのような貢献を果たしてきたのかを分析するための研究会「ティーチング・フィロソフィー研究会」を企画主催し、国内外の研究者と研究交流を重ね、3月にはアメリカから研究者を招いて「哲学の役割」と題したセミナーを静岡大学にて開催した。4.カリキュラムおよび授業づくりの実践としては、模擬大学を実施し、その成果を日本学習社会学会で発表した。大学での授業実践については授業開発の報告書としてまとめた。二年間の研究活動によって、ヨーロッパおよび英米圏での教員養成カリキュラムの改革動向について情報をえることができた。これらの成果は研究会誌『ティーチングフィロソフィー』として順次刊行予定である。
|