2011 Fiscal Year Annual Research Report
パフォーマンス課題の効果的活用に関する国際比較調査
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21730620
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西岡 加名恵 京都大学, 教育学研究科, 准教授 (20322266)
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Keywords | 教育評価 / 目標に準拠した評価 / パフォーマンス評価 / パフォーマンス課題 / ルーブリック / カリキュラム / アメリカ合衆国 / イギリス |
Research Abstract |
平成23年度は、主として下記のことに取り組んだ。 (1)日本の実践校におけるアクション・リサーチ:平成22年度に引き続き、奈良女子大学附属小学校、向日市立西ノ岡中学校、福岡教育大学附属福岡中学校、京都府立園部高等学校などとの共同研究に取り組んだ。さらに、乙訓地方中学校長会による乙訓スタンダードの作成に対する支援を行った。 (2)米国の実践に関する調査:引き続き、パフォーマンス課題に対応する学力を身に着けさせるための指導方法(differentiated instruction, the art and science of teaching)や、パフォーマンス課題に組織的に取り組むための学校経営(differentiated school)に関して、米国の資料を検討した。あわせて、パフォーマンス課題を取り入れたカリキュラム設計の基本文献である、Wiggins,G.,and McTighe,J., Understending by Design (Expanded 2nd Edition,ASCD,2005)の翻訳作業を進めた(この翻訳書については、平成24年5月に刊行予定である)。 (3)成果の発表:パフォーマンス評価に取り組むにあたって、「本質的な問い」を意識したカリキュラム設計を行うことが有効であることを、雑誌等で論じた。また、教育目標・評価学会の第22回大会の公開シンポジウムにおいて、「目標に準拠した評価」の充実のために、パフォーマンス評価の開発と普及、ならびに成績づけのためのスタンダード作りが課題となっていることを明らかにし、乙訓地方における取り組みの一端を報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本プロジェクトにおいて、当初は、個々の学校との共同研究を計画していたが、平成23年度においては、乙訓地方中学校校長会との共同研究が実現し、乙訓スタンダードの作成に携わった。このように、地域の学校群との共同研究に踏み出せたことは、当初の計画以上の進展と言える。このように地域の教育改革を推進することは、パフォーマンス課題を効果的に開発・普及し、「目標に準拠した評価」を充実させる上で、大きな意義を持つと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
学校との共同研究には、研究成果を直接普及する、実践を通して理論の意義と課題を検証するといった効果がある。したがって、本プロジェクトでは、今後も、学校との共同研究を重視した取り組みを進めたいと考えている。また、本プロジェクトでは、これまでにたくさんの実践資料を蓄積している。最終年度にあたる平成24年度には、資料整理のアルバイトを雇用することにより、これらの資料をより効果的・効率的に分析したいと考えている。
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Research Products
(8 results)