2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21730637
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Research Institution | Sapporo Gakuin University |
Principal Investigator |
藤野 友紀 Sapporo Gakuin University, 人文学部, 准教授 (60322781)
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Keywords | 幼児 / 遊び / 共同性 / 保育 / 参与観察 |
Research Abstract |
本研究の目的は、保育場面への参与観察と相互行為分析をとおして、2~3歳児の想像的遊び活動における共同性の組織化過程を明らかにすることである。ここでいう共同性とは、他者との間で状況の意味を共有し、経験のリアリティを身体的に共感し合うことを指す。本研究は保育園の2,3歳児クラス及び幼稚園の3歳児クラスへの参与観察に基づいて、1)2,3歳児クラスにおける複数人による想像的遊びの中で、子ども同士の意味の共有や共感がどのように生起しているか、2)それらが生起、展開する契機において、保育者はどのような役割を果たしているか、を明らかにした上で、3)4~6歳児の「文化的共同遊び」との比較をとおして、両者の共同性の共通点及び相違点を記述し、それらの間に横たわる発達過程を仮設しようとするものである。本年度は研究開始初年度につき、観察フィールドとの関係づくり及び2~3歳児の探索的観察を進めるとともに、既にデータを収集済みの4~6歳児における「文化的共同遊び」の分析とまとめを行った。後者については、ヨーロッパ幼児教育学会(European Early Childhood Education Research Association)で発表し、近接領域の研究者と議論した。そのほか、この数年間継続的に研究交流しているフィンランドの発達研究者との研究会でデータセッションを行い、今後のデータ収集方法と分析枠組みについて有益なコメントを得ることができた。
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