2009 Fiscal Year Annual Research Report
アメリカ・リベラル改革の市民性教育と民主主義-デューイの学校論の実践的展開-
Project/Area Number |
21730644
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Research Institution | Daito Bunka University |
Principal Investigator |
上野 正道 Daito Bunka University, 文学部, 講師 (50421277)
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Keywords | 市民性 / 公共性 / 学校改革 / コミユニテイ / 民主主義 / 教師教育 |
Research Abstract |
今年度の研究活動は、主に次の二点で成果をあげることができた。第一に、民主主義、市民性、公共性を基軸とした学校教育に関わる概念的・基礎的なフレームワークを構築することである。この点では、『学校の公共性と民主主義』の刊行や論文の執筆などを通して、大きな成果をあげることができた。1920年代から30年代にかけてのデューイが探究した学校の公共性を、本研究では、リベラリズムの再構築と再概念化の角度から考察し、民主主義と公共性を原理とする彼の学校改革の構想と実践の展開過程を明らかにすることができた。デューイは、レッセフェールからニューディールへと移行するりベラリズムの新たな段階を画する転換期において、その趨勢とは異なり、共生社会を展望する関係的・互恵的なアソシエーションとコミュニティを擁護し、学習活動の協同とネットワークによって生成する学校の公共性形成を探索した。第二は、個々の学校にかかわる改革の資料収集である。本研究は、民主主義と市民性の教育をカリキュラムや実践の創造過程に関わる学校空間の中に見て取り、個々の学校の実践レベルから市民性教育の実際と政策の多層的・複合的な展開過程を考究することを目指している。なかでも、ニューヨークのシティ・アンド・カントリー・スクールやバンク・ストリート・カレッジでの学校実践に焦点をあてるため、資料の収集を行った。国内やアメリカ合衆国内の図書館での調査を通じて、資料の網羅的な調査を行ったことが成果としてあげられる。
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Research Products
(2 results)