2009 Fiscal Year Annual Research Report
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21730646
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| Research Institution | Kamakura Women's University |
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Principal Investigator |
藤井 佳世 Kamakura Women's University, 教育学部, 講師 (50454153)
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| Keywords | ホネット / 承認 / ハーバーマス / コミュニケーション / 人間形成 |
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| Research Abstract |
1.ホネット承認論における承認概念の特徴:承認は認識に先立つと捉えていることが特徴である。このことは、ハーバーマスの理論との相違点でもある。ホネット承認論は、認知主義から距離をとり、情緒的な側面を積極的に取り入れているといえる。それゆえ、言語的理解は、他者の承認という非-認識的前提と結びついて捉えられる。この新たな視点からみれば、了解を思考するコミュニケーションにおけるコミュニケーション参加者は、お互いの感情移入能力をもちいて状況や立場を理解していると捉えられる。この視点は、コミュニケーションの捉え方を拡大させることに寄与する。2.承認論の枠組:不正の感情を軸にすえた認識に対する承認の優位にもとづいた理論である。承認論の中心に据えられており、承認を作動させる不正の感情は、表現されることのない承認へのそのつどの期待が壊れたことによって生じる。その意味で、ホネット承認論は、他者から承認される期待を常に内包した理論である。3.承認論と自己実現:自己実現が可能になるためには、三つの承認形態における承認がもたらす自己による自己の承認が必要である。また、自己実現は、社会や環境の変化とともに可変的である。その意味で、私的な次元で捉えられがちである承認の感情を自己形成の重要な契機として位置づけることができる。4.承認論と人間形成論:承認論に基礎づけられた教育学は、生活史やアイデンティティの熟慮、その解釈において、個々人を支援するものへと変貌する。このことは、教育的関係において、互いを独特な生活史を有する者としてとらえ直すことでもある。すなわち、承認の否定という次元を通すことによって、感情や感覚における相互行為による自己形成を射程におさめる人間形成論の展開が可能になる。
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Research Products
(2 results)
