2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21730650
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Research Institution | Gifu Keizai University |
Principal Investigator |
渡辺 貴裕 Gifu Keizai University, 経営学部, 准教授 (50410444)
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Keywords | 演劇的手法 / 演劇教育 / ドラマ教育 / 劇化 / 動作化 / 学校劇 / 学習方法 / 身体性 |
Research Abstract |
本研究は、演劇的手法を用いた学習に関して、(1)日本の教育実践の蓄積の掘り起こし、(2)イギリスのドラマ教育の理論および実践の検討、(3)学校現場との共同授業研究の3つを研究の柱としている。それぞれについての本年度の成果は以下の通りである。 (1)1940年代末から50年代にかけての学校劇関連資料を入手し、分析を行った。教科学習における演劇的活動に関して、動作の真似事に過ぎないといった批判があったこと、また、それら批判を克服する方向性として、劇指導の系統性の確立、教室文化活動への拡張、身体への着目、現実を批判的に捉える媒体としての劇という4つが存在したことを明らかにした。 (2)イギリスのドラマ教育関連の文献を、ドラマを通じての授業改善・学校改善に関するものを中心に収集した。また、2週間弱の渡英を行い、Warwick UniversityのJonothan Neelands氏へのインタビュー、ロンドンの2つの小学校でのドラマの授業の視察を行った。それにより、カリキュラムのさまざまな領域へのドラマの結びつけ方、ドラマ教育の各種手法の具体的運用方法などについて、知見を得ることができた。 (3)愛知県の公立小学校においての実験授業、埼玉県の公立小学校においての教員向け研修などを行い、ビデオでの記録を行った。演劇的手法を用いた授業によってもたらされる学習の質・教員がそれを行っていく際の障壁などを実証的に明らかにしていくために必要なデータを収集することができた。 上記の研究の成果を、日本演劇学会、日本教育方法学会、全国大学国語教育学会の3つの学会において発表した。また、雑誌『演劇と教育』において、「授業で活かす演劇的活動のチカラ」と題する連載(全8回)を執筆した。
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