2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21730662
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
荒牧 草平 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (90321562)
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Keywords | 相対的リスク回避仮説 / 文化資本論 / 社会階層 / 教育機会の不平等 / 計量社会学 / IEOモデル / 1次効果・2次効果 |
Research Abstract |
本年度の「研究実施計画」に基づき、「研究の目的」に記載した3つの研究目的に即して、1)教育達成過程における家庭背景の影響について、主としてブルデューの文化的再生産論および合理的選択理論に依拠した実証研究を中心とする過去の諸研究を再読して整理するとともに、2)それらを実証的に検討する適切な方法について再検討し、3)それらの知見を適切なデータセットの分析に適用する、という3段階のプロセスを経て研究を進めた。 「『教育達成』を読み解く」では、主として、1)の目的に即して、先行研究の主要な論点をまとめた。 「教育達成における階層差発生過程のモデル化」では、2)の目的に即して、ブードンのIEOモデルをベースにしながら、階層差の生成過程を実証的に検討する研究が基づくべきモデルを提案した。 「高校生の職業・教育期待における階層差の生成メカニズム:PISAデータによる検討」では、PISAデータを用いて、相対的リスク回避仮説が成立する前提となる条件が認められるか否かを検討した。 「教育達成過程における階層差の生成:『社会化効果』と『直接効果』に着目して」では、SSM調査のデータを、上記のモデル(修正前のバージョン)の枠組から分析し、主として文化的再生産論にもとづく説明の可能性について検討した。 また、高校生とその保護者を対象とした学校生活と進路選択に関する調査のデータを用いて、高校生の教育期待形成において、家庭の資源や親の期待が果たす役割について分析した(私的研究会にて報告)。
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Research Products
(4 results)