2009 Fiscal Year Annual Research Report
「社会的排除」としての長期欠席・不登校に関する調査研究
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21730665
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
加藤 美帆 Ochanomizu University, 学校教育研究部, アカデミック・アシスタント (60432027)
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Keywords | 不登校 / 長期欠席 / 長期欠席児童生徒調査 / 知識社会学 |
Research Abstract |
初年度は、学齢期の子どもの長期にわたる欠席と社会経済的要因との関連についての戦後から1970年代までの統計資料の収集、および社会的排除概念についての理論的検討を行った。子どもの欠席の把握にどのような基準が適用され、いかに調査されてきたかを検討することは、これまで心理的な問題としてのみ扱われてきた「登校拒否・不登校」を、社会変動と社会統制との関連から把握し直すことを可能にすると考えられる。本研究では上記の資料について全国調査のみではなく、自治体が主導して実施した長期欠席者調査についての資料も四つの県について収集した。戦後の新学制の定着過程のなかで長期欠席者がいかに問題化されたかについては社会文化的な要因と関連した地域差を読み取ることができ、これらの資料の比較検討は、長期欠席者数が高い水準にある今日において、子どもの欠席がもつ社会的な意味を考察するうえでも重要な示唆をもつと考えられる。
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