2011 Fiscal Year Annual Research Report
高等教育の市場化と多文化化の相互作用に関する研究-イスラームの承認をめぐって-
Project/Area Number |
21730667
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
岸田 由美 金沢大学, 機械工学系, 准教授 (80334754)
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Keywords | 高等教育 / 留学生 / 宗教的多様性 / イスラーム / 多文化主義 / オーストラリア / 日本 |
Research Abstract |
今年度は最終年度でもあり,国際学会及び国内学会での研究成果発表を行った。あわせて,NAFSA年次大会での資料・情報収集も行った。 NAFSA2011年大会(20113年5月29日~6月3日,カナダ・バンクーバー)においては,2010年大会に続きムスリム学生に関するセッションは少数ではあったが,イスラーム圏の留学生派遣国の国情や奨学金制度に関するセッションは変わらず盛況であり,学生マーケットとしての関心は引き続き高いことがうかがわれた。 成果発表としては,CIES(北米比較国際教育学会)第55回大会(モントリオール,2011年5月1~5日,)及び日本比較教育学会第47回大会(早稲田大学,2011年6月25~26日)において,高等教育の市場化・グローバル化がどのように作用しているかを含めた日豪の大学における宗教的多様性への対応の特徴とその背景,留学生政策が大学や地域に与える影響に関する研究発表を行った。ムスリム学生の宗教的ニーズへのそれぞれの対応を特徴づける要因として,(1)学内のムスリム人口,(2)留学生の経営的重要性,(3)宗教に対する社会の態度及び政教分離政策の特徴,(4)資源分配における平等・公正・ニーズのとらえ方,の4点を指摘したほか,オーストラリアの事例を基に,留学生への経済的関心が学内多文化主義政策を促進する可能性,ムスリム留学生の受入れが地域のエスニック関係改善を導く可能性について指摘した。
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Research Products
(3 results)