2009 Fiscal Year Annual Research Report
大学リサーチアドミニストレーター開発のための実践的研究
Project/Area Number |
21730668
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
鳥谷 真佐子 Kanazawa University, フロンティアサイエンス機構, 博士研究員 (90420819)
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Keywords | 教育社会学 / 大学組織 / 大学経営 |
Research Abstract |
本研究の目的は、競争的研究資金が拡充していく環境のなかで、研究者の負担を減らし、効果的・効率的な研究実施を支えていくための、日本の大学が取りうる研究支援(リサーチアドミニストレーション:RA)体制モデルを提示すること、またそのために組織を横断した情報交換を促進することにある。 国公私立大学の研究支援体制の現状調査のため、まずは国立大学法人(以下、国立大学)、私立大学それぞれ1校を抽出し、研究支援を行う部署にインタビューを行った。国立大学の研究支援部署は、一般事務職員により運営されており、通常3年程度で他部署または他大学に異動するという一般的な人事を行っており、ほぼ全国一律の人事システムの中にあるということであった。また、国内最大の研究支援部署を持つ私立大学でも、研究支援を行う職員のうちに、修士号や博士号を持った専門的な人材は配置していないとこのことだった。この調査の結果、研究支援部署の調査ではなく、獲得支援や各種事業を推進するための研究支援を目的として配置する,専門的知識を有する専任のスタッフ(事務職員を除く)に関する調査を行うこととした。 全国の国公私立大学、大学共同利用機関法人、独立行政法人研究所、合計132機関ヘアンケートを行った結果、77機関から回答を得た。専門的研究支援職を配置している機関は、34機関であった。これらの調査結果は引き続き解析中であるが、我が国の専門的研究支援体制整備の現状を知る上で貴重な資料となると考えられる。さらに、全国の専門的研究支援を行っている人材に連絡をとり、金沢大学の支援により平成22年2月5日にリサーチアドミニストレーター研究会を開催した。全国の研究支援に関わる教員、事務職員、企業関係者が会し、文部科学省研究振興局研究環境・産業連携課の協力も得て、各大学の専門的研究支援に関して議論を行った。全国的ネットワークの基盤となることが期待される。
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