2010 Fiscal Year Annual Research Report
大学リサーチアドミニストレーター開発のための実践的研究
Project/Area Number |
21730668
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
鳥谷 真佐子 金沢大学, フロンティアサイエンス機構, 博士研究員 (90420819)
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Keywords | 教育社会学 / 大学組織 / 大学経営 |
Research Abstract |
本研究の目的は、競争的研究資金が拡充していく環境のなかで、研究者の負担を減らし、効果的・効率的な研究実施を支えていくための、日本の大学が取りうる研究支援(リサーチアドミニストレーション)体制モデルを提示すること、またそのために組織を横断した情報交換を促進することにある。今年度は、(1)先進である米国のリサーチアドミニストレーターについて調査するため、リサーチアドミニストレーターの職能団体National Council of University Research Administrator(NCURA)の年会に出席し、年会のプログラム構成や教育プログラムの内容についての調査を行った。また、テキサス大学およびポートランド州立大学のリサーチアドミニストレーターらに、業務内容や組織体制についてのインタビューを行った。さらに、リサーチアドミニストレーターの資格について調査するため、Research Administrators Certification Council(RACC)にて、資格試験の内容等についてインタビューを行った。(2)リサーチアドミニストレーションに興味を持つ実務者らのネットワークを構築するため、昨年に引き続き第2回リサーチアドミニストレーション研究会を開催した。研究会では、米国のリサーチアドミニストレーションについての調査結果を発表した。また、研究機関におけるリサーチアドミニストレーション体制のモデルを模索するため、シンポジウムの企画を行い、調査結果を発表した。これらの研究会、シンポジウムを通して、外部研究資金に関わる広範囲な支援業務として定義できる米国のリサーチアドミニストレーションに対し、日本におけるリサーチアドミニストレーションとは、1、事務組織、2、産学連携組織、3、研究推進組織それぞれが、外部研究資金や産学連携の増加に伴い、従来になかった新しい機能の獲得を目指すものであることが明らかになってきた。それゆえ日本ではリサーチアドミニストレーションに対する認識は各組織によって異なっており、今後の整理が必要である。
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