2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21730673
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
楠山 研 長崎大学, 教育学部, 准教授 (20452328)
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Keywords | 中華圏 / 学校制度 / 教育制度 |
Research Abstract |
中国大陸の学校制度研究を土台として、香港、マカオ、台湾および東南アジア諸国を対象に、同じ文化的背景、異なる社会的背景の中で、どのような学校制度を構築しているのかを明らかにするため、実施2年目である平成23年度は、(1)中華圏各国の学校制度を比較研究するための資料・情報収集の継続、(2)現地訪問による情報収集をおこなった。前者については、引き続き中華圏における学校制度の特徴を明らかにするという観点から、主に中国語、日本語、英語の文献を、中華圏以外の学校制度情報も含めて幅広く収集し、学校制度の分析および比較の視点の析出を進めた。後者については、マカオ、香港を訪問し、学校制度関連の資料・情報収集、学校参観、教育関係者へのインタビューを実施した。とくにマカオについては、事前の検討から、複雑な地理・歴史的環境による言語教育に特徴があると考え、日本の文部科学省に相当する教育曁青年局を訪問して、言語教育を中心にマカオの教育事情についてインタビューを実施した。また私立幼稚園(小学校を併設)を訪問して、幼稚園や小学校における言語教育の状況を確認し、授業参観をおこなった。英語が大きな影響力をもっている香港とは異なり、事実上3つほどの学校体系が並立しているマカオでは、学校で用いられる言語も、広東語、中国標準語、英語、ポルトガル語があり、教え方や教える時間数もよってたつ学校制度や教育方針、将来への見通しの違いから大きく異なる状況がみられている。規定では公立学校は公用語である中国語とポルトガル語のうち1つを教授言語としなければならず、私立学校は1つを学ぶ機会を提供しなければならないことになっている。こうした違いは、それぞれの学校教育のあらゆる部分に違いをもたらしているため、そうした複雑さを分析し、理解して、マカオの学校制度として整理することが次年度の課題と考えている。
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Research Products
(4 results)