2009 Fiscal Year Annual Research Report
論理的思考力・表現力を育成する『理科指導力』を培う教師教育プログラムの開発研究
Project/Area Number |
21730693
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
平野 俊英 Aichi University of Education, 教育学部, 准教授 (70325033)
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Keywords | 理科指導力 / 論理的思考力 / 表現力 / 教師教育 / 東アジア |
Research Abstract |
本研究は、初等・中等教育段階にある学習者が『誰から見ても根拠が明確で、納得して使用ができる』科学的概念を『観察・実験の結果に基づいて学習集団内での討議や質疑の活動での検討を通じて』実感を持って構築していくことに『意義を見いだす』理科授業づくりに向けて、このような授業を推進していくための『理科指導力』を備えた理科教師を育成するプログラムのカリキュラムと学習評価指標を開発するために基礎的研究を行うことを目的としている。特に、本研究で重視していくものは、科学的概念を裏打ちする論理的思考力と表現力の獲得、ならびにその獲得支援方略の理解である。 本年度の実施内容は、まず文献研究を先行させ、理科教師教育プログラムのカリキュラムや学習評価指標の作成のうえで必要となる検討課題の整理を行った。プログラム内で学生への問いを適切に配置し、その回答内容から学生の思考を探ると共に、適切なコメントや追加の問いを提供する必要がある。さらに、授業分析の方法(設定する学習内容文脈、クラス環境、使用教材・教具のほか、分析の対象物・観点・手法等)に関する具体的方略について検討を重ねた。並行して、理科教師や教員養成系学部学生を対象とした「論理的思考力」「表現力」に関する育成意識や獲得意識に関する実態調査を行い、検討にあたっての参考データとした。さらに、台湾の国立新竹教育大学の研究者の協力のもとで実態調査や協議を進めて、日本と同じく集団学習を基軸にしている台湾の学校教育・教師教育のシステムや教育プログラム等の分析を進めたほか、次年度に実施を予定する理科授業実践の実態分析の枠組みを検討した。
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