2009 Fiscal Year Annual Research Report
日韓交流の促進を目指した日本語・韓国語教材開発に関する研究
Project/Area Number |
21730706
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Research Institution | Miyagi Gakuin Women's University |
Principal Investigator |
澤邉 裕子 Miyagi Gakuin Women's University, 学芸学部, 准教授 (40453352)
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Keywords | 日本語教育 / 韓国語教育 / 日韓交流 |
Research Abstract |
本研究の目的は、日韓高校生間における交流の実態を把握した上で、それらをもとに『コミュニケーションのための日本語と韓国語-日韓交流活動集』WEBページを制作し、日本語教育と韓国語教育の連携を促すとともに、言語教育を通してバランスの良い日韓交流を促進することである。日本における韓国語教育においても韓国における日本語教育においてもその教育目標にはコミュニケーション能力、文化理解能力の育成が掲げられており、両言語教育が協働する意義は大きい。しかし現在は管見の限り、日本語教育と韓国語教育が協働して行う日韓交流授業に関する実践報告は多くない。多くの教師が情報を共有し、実践していくためには日韓交流授業に関する教材を開発し、広く公表することが必要だと考える。 今年度は昨年度まで筆者が実施してきた日韓交流授業で学習者が使用したり作成したりした学習資料とそれらを通して学んだ学習者の学びについて分析するととともに、現在日韓で行われている日韓交流活動の実態調査を行った。具体的には高校の日韓交流活動の現場取材、日本語、韓国語教師への聞き取り調査、韓国の中等日本語教師119名に対する質問紙調査を実施、さらに学校ホームページ等を通して52事例の情報収集を行い、日韓交流活動の事例データベースを作成した。現場の教師への質問紙調査では、日韓交流活動の必要性は感じているが、方法がわからない・相手校がない・時間がない等の理由で実施に至っていないという回答が目立った。また、日本の高校の韓国語教師との情報交換の場(ホームページ等)があれば活用したいという声が多く寄せられ、韓国語教育との連携に対する関心が見られた。事例データベースをもとにして制作するWEBページは高校生間の日韓交流を促進する日本語、韓国語授業の実践に貢献する可能性が見いだせた。この調査の結果については韓国日本語学会の第21回学術発表会において発表した。
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