2009 Fiscal Year Annual Research Report
計算の意味の概念的理解とその教育的支援に関する実証的研究
Project/Area Number |
21730708
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
金田 茂裕 Toyo University, 文学部, 准教授 (30402093)
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Keywords | 算数 / 概念的理解 / 減法 / 教育的支援 / 作問 / 小学生 / 除法 / 文章題 |
Research Abstract |
本研究の目的は、算数の基礎的演算である加減乗除の計算の意味に関する学習内容を詳しく検討した上で、小学校の6年間の学習を通して子どもの概念的理解がいかに深まるか、その認知過程を実証的に検討し、子どもが計算の意味をどう考え、何に難しさを感じるかを明らかにし、その教育的支援の方法を提案することであった。平成21年度は、下記4点の研究成果をあげることができた。 1.論文「作問課題による小学1年生の減法場面理解の検討」(教育心理学研究)では、減法の求残・求補・求差の場面に関する算数作問の認知過程を調べ、それらの場面理解の難しさの程度と理由を明らかにした。 2.小学1年生に加え、3,4,6年生を対象とし、作問課題を用いた調査をおこない、減法の求残・求補・求差の場面に関する算数作問の認知過程の発達的変化を調べた。その研究結果は、論文Assessment of Subtraction Scene Understanding Using a Story Generation Taskとしてまとめ英文の学術雑誌Educational Psychologyに採択された。 3.小学3,4,5,6年生を対象とし、作問課題を用いた調査をおこない、除法の等分除・包含除に関する算数作問の認知過程の発達的変化を調べた。現在、その結果を分析中である。 4.加減乗除の計算の意味に関する学習内容に関して、算数教科書計算の意味の概念的理解を深めるために、どういった学習が用意されているか、その種類・内容・順序を学年別、教科書別に比較検討する作業を開始した。
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