2011 Fiscal Year Annual Research Report
計算の意味の概念的理解とその教育的支援に関する実証的研究
Project/Area Number |
21730708
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
金田 茂裕 東洋大学, 文学部, 准教授 (30402093)
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Keywords | 算数 / 概念的理解 / 教育的支援 / 作問 / 減法 / 除法 / 文章題 / 方略 |
Research Abstract |
本研究の目的は、算数の基礎的演算である加減乗除の計算の意味に関する学習内容を質的、量的に検討した上で、小学校の6年間の学習を通して子どもの概念的理解がいかに深まるか、その認知過程を実証的に検討し、子どもが計算の意味をどう考え、何に難しさを感じるかを明らかにし、その教育的支援の方法を提案することであった。平成21-22年度は、小学校の学習内容を検討した上で、子ども(小学生)を対象とした実験・調査を行い、主として「減法」と「除法」に関わり、子どもの概念的理解がいかに深まるかを明らかにしてきた。平成23年度は、これまでの研究をふまえ、子どもの頃に学習した内容を大人がどのように理解し、記憶しているかを実験・調査により検討し、その結果からさかのぼるかたちで、子どもの学習に対する教育的支援の方法を提案した。具体的には、下記3点の研究成果をあげることができた。 1.子どもの頃に算数の時間に学習した内容が長期の時間経過を経ていかに変化・定着しているかを検討する目的で、加減乗除の四則演算の長期使用者と位置づけられる大学生を対象とした教育心理学的調査をおこない、加減乗除法の場面理解方略を調べた。その研究結果の一部は、日本教育心理学会第52回総会にて発表した。また、英文の論文としてまとめ、現在、査読付き学術雑誌に投稿中である。 2.加減乗除の場面理解を教育的に支援する挿絵や図の算数教科書における提示順序、内容、頻度に関する質的、量的な検討を前年度より継続して行っている。また、挿絵や図が概念的理解に及ぼす影響・効果を調べることを目的した調査・実験を行い、現在、その結果を整理中である。 3.加減の演算を深く理解した上での応用的な問題解決とその教育的支援に関する研究を行った。研究成果は、査読付きの英文学術誌であるInstructional Scienceに掲載された。
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