2009 Fiscal Year Annual Research Report
希望をもつ若年者のキャリア形成と早期離職に関する研究
Project/Area Number |
21730711
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Research Institution | Ehime Women's Junior College |
Principal Investigator |
松尾 美香 Ehime Women's Junior College, 健康スポーツ学科, 講師 (30521067)
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Keywords | 希望 / キャリア形成 / キャリア選択 |
Research Abstract |
児童生徒をめぐる状況や学習内容は激変しているため、教員養成や教員研修の見直しの必要性を課題としている。しかしながら、特に喫緊の教育課題であるキャリア教育においては、意識啓発や体験の提供に偏っている。また、学校と社会が乖離している傾向があることから、直接子どもたちを指導する立場にある教師が実際の企業や社会との接点が少ないため、適切なキャリア支援ができていない現状がある。それゆえ、社会に参入する準備段階にあたる学校において教育課程と職業へのつながりは漠然としたものであり、就職選択に対する指導や介入の方策も十分でない。したがって、子どもたちに将来の希望や夢を抱かせ、実現させるための方策を検討し、指導内容や指導・支援内容の工夫など指導法について究明が必要であると考える。一方、子どもたちの意識にも変化があり、不登校、ニート、無気力、学力低下等といった学習意欲や就業観に欠け、自立できない若者が増加している。そのため、将来に対する「夢」や「希望」を喪失し、働く意義を見出せず、学校を卒業しても就職しない無業者や就職しても定着しない若者の増加が大きな社会問題となっている。意欲を失い、自立しようとしない若者が増加傾向にあることが最大の課題である。そこで、本研究では個人の希望保有がキャリア形成やキャリア選択に与える影響を検討すること、そして、希望の保有の状況を把握したうえで、就職後のやりがい・モチベーション状況や離職の可能性を追跡することで、若年者に効果的な支援の方法について提言することが主な目的である。初年度となった21年度は、調査にあたり希望に関する情報収集および先行研究を行った。そして、質問紙を用いた予備調査の結果を分析し、若年者の希望保有とキャリア形成およびキャリア選択の関係性を明らかにするのかが主たる研究活動となった。今年度の研究によって得られた知見は以下の通りである。希望は、心理学や認知科学にかかわる先行研究を検討により、「認知」、「感情」、「方法」として大きく3つに分類できることがわかった。しかし、これらは、希望の定義に曖昧さを残してしまうため、希望の本質を損なわないよう、希望の概念の再検討を行う必要がある。そのため、希望の概念について再検討を行ったうえで、質問紙を用いた予備調査を実施する予定である。
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