2010 Fiscal Year Annual Research Report
聴覚障害児の情報保障としての音声認識字幕システムを活用した口語表現学習支援
Project/Area Number |
21730715
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中野 聡子 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任助教 (20359665)
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Keywords | 聴覚障害 / 特別支援教育 / 情報保障 / 音声認識 / iPhone / 字幕呈示 / 学習効果 / 日本語習得 |
Research Abstract |
本研究は,聴覚障害児が在籍する通常学級において,1)音声認識字幕システムの試験運用を行い,彼らの音声認識字幕の読みの特性に焦点をあてた分析をもとに呈示方法の改良を検討する,2)字幕ログを利用した口語表現学習教材を作成し,聴覚障害児が音声認識字幕システムによる情報保障を通して,話しことばの表現を学びながら豊かな柔軟性のある日本語運用力を身につけることを目的としている。 22年度は,21年度に続き,iPhoneを利用したモバイル型遠隔情報保障(文字入力はパソコンの連係入力による)の運用を行い,ユーザーである聴覚障害児童・生徒の変化を見ることで,情報保障の効果を分析した。ケース事例の中には,1年を通してみると明らかに社会科の成績が向上し,学習意欲が高まった児童もいた。要約をしないことで,授業の内容を漏れなく伝わることにより,学習理解度が向上し,また日本語力そのものも高める効果があったのではないかと考えられる。 成人の聴覚障害者に対する情報保障とは異なり,子どもの場合は,学習効果・日本語習得をも視野に含めた字幕呈示や,字幕ログを利用した日本語学習支援教材を作成していくことが重要であると考えられる。
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Research Products
(5 results)