2011 Fiscal Year Annual Research Report
吃音がある小・中学生の包括的・総合的評価バッテリーの開発
Project/Area Number |
21730716
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小林 宏明 金沢大学, 学校教育系, 准教授 (50334024)
|
Keywords | 通級 / 評価 / 通級による指導 |
Research Abstract |
本研究の目的は、吃音がある小・中学生の包括的・総合的評価バッテリーを開発することである。 本年度は、昨年度までに作成した幼児・児童吃音実態調査質問紙の分析・検討結果を踏まえ、「包括的・総合的評価バッテリーを用いた評価用紙」の作成及び、有用性の検証を行った。 作成については、幼児・児童吃音実態調査質問紙の分析・検討結果を踏まえ、(a)児童・生徒用質問紙、(b)保護者用質問紙、(c)学級担任用質問紙の3種類の質問紙及び、質問紙の回答を整理、分析するためのツールである(d)幼児・児童の包括的評価整理シートを作成した。(a)については、児童・生徒の吃音進展状況や課題理解の状況を踏まえ、小学校低学年向けと小学校中学年以降の2種類の質問紙を作成した。(b)については、幼児・児童吃音実態調査質問紙の分析結果を踏まえ、活動・参加、吃音の状況、発達及び情緒の状況、環境の状況について包括的に評価可能なものとした。(c)については教員の多忙な勤務状況を考慮し、5分程度で回答可能な簡便なものとした。(d)については、上記(1)~(2)の回答結果から、各児童・生徒の実態を、国際生活機能分類(ICF)の枠組みを用いて整理・分析すると共に、申請者がこれまで開発した「吃音を持つ児童生徒に対する教育的指導支援プログラム」と併せて利用することで指導支援計画立案までを一体的に行えるものとした。 有用性の検証については、筆者が金沢大学で行っている教育臨床相談に吃音が主訴で来所した児童5名に対して、上記作成した(a)~(d)を用いた評価及び指導計画立案を実施した。その結果、(1)評価や指導計画立案に必要な作業や時間の軽減、(2)保護者への評価結果や指導計画案の説明のわかりやすさの向上、等の利点があることが確認された。 今回作成した質問用紙と評価整理シートは、広く教育臨床で活用いただけるようにホームページで公表した。
|
Research Products
(4 results)