2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21730719
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
近藤 恵 京都大学, こころの未来研究センター, 特定研究員 (40467402)
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Keywords | 病弱教育 / インクルージョン / 福祉政策 / 他業種連携 / 小児ターミナル / トータルケア |
Research Abstract |
【研究目的】 本研究の目的は、小児がんをはじめとするターミナル期にある子どもの心理・教育的対応と復学支援システムを(1)環境、(2)人員、文化社会の2点から、心理学、教育学、政治学(福祉政策)の視点を用い学際的に研究し、よりよい環境を提供するシステムを提案することである。具体的には、地域左社旗、学校へのインクルージョンを念頭におき、学校教育カリキュラム及び地域の学校との連携システムの開発の基礎資料とするために、闘病中の子どもをできる限り個々人の家に帰し、日常生活を送る地域で教育、医療を行っている福祉国家ドイツ、スウェーデンの両国モデルを中心に、(1)福祉システムを中心とした環境面、(2)他業種の教育と連携という人員、文化社会面の理論と応用を調査する。 【研究実施】 研究初年度平成21年はドイツ、スウェーデンの福祉政策と病弱教育との関係を基礎資料に基づいて明らかにすることである。 【研究結果】 本研究の成果は、小児ターミナル期をはじめとする闘病中の子どもへの心理・教育的対応と学校教育システムについて、スウェーデンとドイツの福祉政策との連携を明らかにした点にある。つまり、両国における家族単位での福祉システムが当該児だけではなく、両親や兄弟といった家族への物理的心理的ケアを担っていること、そしてそのことが、当該児のQOLを向上させていることが明らかとなった。 具体的には、先の両国では医療システム及び理念から、当該児が日常生活を送りながら治療を受けられるという点から、看病の担い手としての養育者への物理的(人、モノ)、経済的支援が福祉政策として整えられている。また、学校教育についても「復学」という概念を使わず、院内学校の役割はあくまでも補間的なものとして用いられている。このような体制をとることにより、地域の学校との連携や地域社会へのインクルージョンが家族単位で容易となることが明らかとなった。
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