2012 Fiscal Year Annual Research Report
北欧福祉国家におけるインクルーシブ教育の展開と実相
Project/Area Number |
21730722
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
是永 かな子 高知大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (90380302)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 北欧 / 福祉国家 / インクルーシブ教育 / 就修学支援 / 地方分権 / 制度 / 就労支援 / 教育実践 |
Research Abstract |
平成24年度には、文献研究と訪問調査研究を実施した。文献研究においては、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランドにおけるインクルーシブ教育実践について、先行研究検討を行った。訪問調査研究ではフィンランド、デンマーク、スウェーデンを訪問し、複数の学校や行政機関において各国の実態調査を行った。また各国で訪問調査を実施する際には、通常入手困難な一次資料の収集を行った。収集した文献は二次的な先行研究とともに文献研究に用いた。 本年度の具体的な研究実績は以下である。第一に、デンマークの地方分権の推進とインクルーシブ教育の具体化の研究、第二に、スウェーデンの就修学支援システムと保護者との合意形成システムの解明、第三に、スウェーデンのインクルーシブ教育における個の学習保障と学び合う集団形成の検討、第四にスウェーデン・パティレ市における知的障害者の就労支援の検討、第五にフィンランドにおける段階的支援としての特別教育と個別計画の活用、である。これらの研究を通じて各国の制度的特色を明らかにした。 第一の結果からは、地域性・多様性を全体とする地方分権に伴う教育改革も、3つ程度の方向性において分類できる可能性が示唆された。第二の結果からは、就学のみならず修学を支援する過程で、保護者の教育選択と地方自治体の教育を受ける権利保障の義務を共存させる制度構築の方略が示された。第三の結果からは、スウェーデンにおいては個の学習保障の方法として集団による学習が活用されていることが明らかになった。第四の結果からは、日中活動保障から一般就労への移行支援がソーシャルインクルージョンとして強化されていることが分析された。第五の結果からは、インクルーシブ教育を段階的支援として具体化する方法の一例が示された。成果は学会発表および論文執筆によって公表した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(19 results)