2012 Fiscal Year Annual Research Report
20世紀初頭米国通学制聾学校における口話法への転換の教育的・社会的意義
Project/Area Number |
21730724
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
木村 素子 宮崎大学, 教育文化学部, 准教授 (60452918)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 特別支援教育学 / 聴覚障害教育学 / 通学制聾学校 / 口話法 / アメリカ合衆国 |
Research Abstract |
本研究は、どのように通学制聾学校の教育が発展したのかを、その発展に大きな役割を果たした口話法に着目し明らかにすることを目的としている。平成24年度の研究計画は、(一)20世紀初頭シカゴ通学制聾学校における口話法選択の諸背景の検討、(二)20世紀初頭米国通学制聾学校における口話法への転換の教育的・社会的意義の研究総括の二つの研究課題に取り組むことであった。 (一)については、当時の公立学校における生徒の知的能力観に関する一般的な概念が聾児の場合にどのように適用・修正されたのかを比較検討することによって、20世紀初頭の通学制聾学校における口話法選択の背景について明らかにした。具体的には、シカゴにおける学業不振児の分類の細分化・対処方法を教育課程と口話法適用の状況に着目しながら明らかにし、そのような対処が想定された背景を公立学校における健聴の学業不振児・サブノーマル児の分類・対処と比較し検討した。その結果、児童研究部での健聴学業不振・サブノーマルの原因と判別の研究進展によって、健聴生徒が学業不振・サブノーマルと判定された場合に通常の教育課程・方法でなく無学年学級への配置と生活化した教育課程が用意されたのと同様、聾生徒にも同様の対応がなされたことがわかった。一方、聾サブノーマル児は健聴サブノーマル児より高い発生率になっていたが、聾サブノーマルは知的な問題ではなく聾特有の問題、例えば言語習得の問題からサブノーマルと判定される生徒が多いとの原因論に基づき、実際は知的な遅れがないとされた聾児には健常聾生徒と同様口話法が選択され、口話法の方法的洗練、早期教育の充実といった問題の改善へと関心が向かった。このように、20世紀初頭通学制聾学校において一部の生徒ではなく多くの生徒に対して口話法が選択されるようになった。(二)については、特殊教育学会自主シンポジウムにおいて研究の総括的発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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