2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21730726
|
Research Institution | Ibaraki Christian University |
Principal Investigator |
細川 美由紀 Ibaraki Christian University, 文学部, 講師 (70434537)
|
Keywords | 特別支援教育 / 読み書き障害 / 学習障害 / 早期支援 / 幼児 / 認知機能 |
Research Abstract |
本研究では、発達障害児の早期発見・早期支援に関わる具体的な支援内容の構築について、(1)幼児期における読み書きに関わる認知機能の特徴とその発達、および(2)幼児における読み書き障害のリスク評価とその支援の2点について検討することを目的としている。 本年度は、当該研究の初年度にあたるため、主として幼児期における読み書きに関わる認知機能の評価について予備的検討を実施した。この予備的検討では、読み書きに関わる認知能力の中でも、言語性作動記憶と音韻意識の関係性に注目するため、単語を音節(モーラ)単位で逆唱する課題(単語モーラ逆唱課題)を用いて検討した。5歳の幼児を対象とし、2音節から5音節で構成される単語の逆唱を求めた。その結果、全ての音節数で正しく答えることができた。さらに、認知神経科学的評価手法として、近赤外線光トポグラフィー(NIRS)を用いて単語モーラ逆唱課題遂行中の脳血流動態についても予備的実験を行った。また、成人を対象とした実験では、単語をそのまま呼称した条件に比べ、逆唱した条件において血流量が増大する傾向が認められた。これらの結果から、行動指標のみでは捉える事の難しい認知機能の脳内処理過程について明らかにすることが可能になることが示唆された。一方、5歳児を対象として同様の実験を実施したが、途中で機材装着にともなう不快感を訴え、最後まで課題を遂行することができなかった。 次年度は幼児でも遂行可能なNIRSの実験条件を検討するとともに、幼稚園・小学校に協力を依頼し、行動指標によるデータ収集を実施する予定である。
|
Research Products
(2 results)