2010 Fiscal Year Annual Research Report
特別支援教育における市町村単位の地域連携体制の構築・充実に関する研究
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21730728
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Research Institution | Obihiro Ohtani Junior College |
Principal Investigator |
伊勢 正明 帯広大谷短期大学, 社会福祉科, 講師 (20461676)
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Keywords | 特別支援教育 / 地域連携 / 市町村 / 保育所 / 幼稚園 / 小学校 / 保健センター / 保健師 |
Research Abstract |
平成22年度の研究目的は、北海道十勝地方にある各市町村保健センターの保健師に対して聞き取り調査を行い、特別支援教育制度に対する理解や認識、保育所・幼稚園・小学校と市町村保健センターの連携体制の現状把握と市町村保健センター側の連携に対する認識や要望を明らかにすることであった。また、平成21年度からの懸案事項として幼稚園への聞き取り調査の準備を進めることも取り組むこととした。 北海道十勝地方の各市町村保健センターの保健師に対する聞き取り調査の結果からは、以下のような興味深い意見が得られた。すなわち、(1)以前と違い、保健師が保健以外の各福祉分野部署に配置された結果として、家庭訪問等によって家族全体の問題や課題を拾い上げてくることが難しい状況にあること、(2)その結果、保健師同士の情報共有や協働が難しくなってきていること、(3)連携協議会等への出席を除くと保健師と情報共有を頻繁に行うのは保育所や児童福祉関係部署であること、(4)「いのちの授業」など保健指導の一環として定期的に小学校と情報共有を行う例があったこと、(5)一部、保護者対応に関して幼稚園と保健センターとで方針のすり合わせや共有化を行っていながら、幼稚園側が保護者に対して誤った情報を提供する、あるいは共有化した方針と異なる対応を繰り返す等のことから不信感を持っている例もある、等である。 また、各市町村の児童福祉担当部署が地域連携に重要な役割を果たしていることが再確認されたことや当初想定していなかった地域子育て支援センター・認可外保育施設・学童保育等も地域連携の一翼として発達障害児の対応・支援に取り組んでいる自治体があることも分かった。これらの知見は、地域連携を検討する上で大変重要な要素であり、今後の調査対象として、保護者と同様に想定する必要があり、それらの総合的な調査結果から、より詳細な地域連携に関する仮説を構築できると考えられる。
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Research Products
(2 results)