2010 Fiscal Year Annual Research Report
相対的対数p進コホモロジー,ホモトピー及び過収束アイソクリスタルの研究
Project/Area Number |
21740003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
志甫 淳 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 准教授 (30292204)
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Keywords | 過収束アイソクリスタル / 純性定理 / 対数的構造 / 対数的収束アイソクリスタル / p進表現 |
Research Abstract |
本研究の目的はp進数論幾何学において重要な対象である標数p>0の代数多様体の相対的リジッドコホモロジーおよびその係数である過収束アイソクリスタルの性質を詳しく調べることである.今年度は平滑な代数多様体X上の過収束Fアイソクリスタルのなす圏の性質およびその圏とXの代数的基本群のp進表現の圏との関係について詳しく調べ,以下に述べる結果を得た. 1.X上の過収束Fアイソクリスタルの圏がXおよび過収束域を余次元2以上の閉部分多様体を取り去ることにより縮めても圏が不変であること(純性定理)を証明した.証明は巧みな議論によりアフィン空間の場合に帰着した後に弱完備有限生成代数の具体的計算をすることによりなされる.この結果の応用として,Xの代数的基本群の局所有限モノドロミーを持つp進表現の概念を適切に定義し,それらのなす圏とX上の単根過収束Fアイソクリスタルの圏との圏同値を証明した.これは都築暢夫,Kedlayaにより知られていた結果の改良である. 2.Xが良いコンパクト化を持つときに,コンパクト化上の半単純調整済放物的単根対数的収束Fアイソクリスタルの概念を定義し,それのなす圏がXの馴分岐代数的基本群のp進表現の圏と圏同値となることを証明した.証明の鍵は前者の圏とある種のスタック上の単根収束Fアイソクリスタルの圏を以前証明した対数的延長の定理を用いて比較することである. また,上記の結果に関する論文の執筆を進めた.
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