2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21740004
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 正俊 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (30534052)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 代数学 / ゼータ関数 / 自己相反多項式 / 再生核ヒルベルト空間 / ハミルトニアン |
Research Abstract |
前年度までの成果により, 本課題におけるゼータ函数の研究に対して, モデル空間と呼ばれる再生核ヒルベルト空間を利用することの重要性が明らかになった.これを受けて, 本年度は主にモデル空間に対する研究を推進した.一般に,モデル空間には標準系と呼ばれる線形常微分方程式の系が対応し, モデル空間の性質は標準系のハミルトニアンの性質に反映される.前年度にはゼータ函数のある微小変形にモデル空間を対応させ, そのハミルトニアンを研究したのだが, 厳密な成果を得るには微小変形のパラメータの大きさに制限を付ける必要があった.本年度はこの問題点を解消するためにゼータ函数のある積分表示を利用することを行った.より具体的には, ゼータ関数のある積分表示を有限リーマン和で近似し, その有限リーマン和の変数変換から得られる多項式に対して,適当なモデル空間と,それに付随する標準系のハミルトニアンを考察することにより, もとのゼータ函数のハミルトニアンを計算することを試みた.当初はこれをゼータ函数の微小変形に対して行っていたが, 間もなくこの手法はもとのゼータ函数に対して直接行う方がシンプルで無駄がないことがわかった.しかも同じ手法によって, 自己相反多項式と呼ばれる一般の実係数多項式に対して, ハミルトニアンを具体的に書き下せるような標準系を対応させられることが判明し, 自己相反多項式の根の分布と標準系のハミルトニアンを対応させるという新しい知見を得ることができた.こうして得られた自己相反多項式に対応するハミルトニアンの表示を利用することにより, ゼータ函数に対応するハミルトニアンを具体的に計算する事が可能になった.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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