2010 Fiscal Year Annual Research Report
アーベル多様体のモジュライ空間の階層構造及び葉層構造の研究
Project/Area Number |
21740006
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
原下 秀士 横浜国立大学, 環境情報研究院, 准教授 (70396852)
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Keywords | 代数幾何学 / アーベル多様体 / モジュライ空間 / 階層構造 / 葉層構造 / p-可除群 / 有限群スキーム / Deligne-Lusztig多様体 |
Research Abstract |
正標数の偏極アーベル多様体のモジュライ空間は代数幾何学、数論幾何学に於いて重要な研究対象である。そのモジュライ空間にはcentral streamと呼ばれる特別な部分多様体が入っており、その配置が重要であるため、その研究を行った。低次元の場合や小さな同種の場合等、具体的な計算が可能な場合には証明ができるようになってきている。しかし、一般の場合は技術的に難しいところが残っており未だ解決には至っていない。23年度も引き続き取り組んで行きたい。 低次元の場合のジーゲルモジュラー多様体の階層構造の研究も行った。種数4までは満足のいく結果を得ることができた。つまり、Ekedahl-Oort階層、Newton polygon階層の交わり具合が分かり、交わりが正則になっていて、それによりモジュラー多様体の「舗装」ができていることが証明できた。近く論文を作成し出版したいと考えている。 Ekedahl-Oort階層の一般元のNewton polygonの決定はOort予想呼ばれるが、その偏極なし版の論文に修正等を行った:査読付き論文集に採録されることが決定した。 22年度の主な成果として、Deligne-Lusztig多様体の構造、定義方程式およびアファイン性についての結果を挙げる。22年度例外群G2に対するDeligne-Lusztig多様体の構造を調べた。今回、G2に対するDeligne-Lusztig多様体の定義方程式を与え、その全てがアファインであることを証明することができた。Rapoport-OrlikはG2のDeligne-Lusztig 3-foldはアファィン性を彼らの論文で問題として挙げていた。
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