2011 Fiscal Year Annual Research Report
数理物理学への応用を目指したコンファーマル超代数の表現論の研究
Project/Area Number |
21740007
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
古閑 義之 福井大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (20338429)
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Keywords | アフィン超リー代数 / コンフォーマル超リー代数 |
Research Abstract |
本研究は、コンフォーマル超代数と呼ばれる無限次元超リー代数の表現論とその数理物理学への応用を主な研究目的としている。コンフォーマル超リー代数の表現論は、アフィン超リー代数と呼ばれる(ある条件を満たす)カルタン行列から定義される無限次元の超リー代数の表現論と密接な関係がある事が知られている。そこで昨年度後半からは、主にカルタン行列から定義される超リー代数の表現論に関する研究を行っている。 今年度は特に、昨年度から引き続くテーマである、超リー代数のエンライト関手に関する研究に取り組んだ。一般のカルタン行列から定義される超リー代数の表現の圏上でエンライト関手を導入し、その基本的な性質を調べる部分については、昨年度までに結果が得られていた。今年度は、対象とする超リー代数を長さOの奇ルートを持たない超リー代数に制限し、エンライト関手の応用としてより精密な結果を得る事を試みた。具体的には、 1)ヴァーマ型の間の準同型写像の一意性(その結果、特異ベクトルの一意性が従う) 2)エンライト関手を用いた特異ベクトル公式の意味付け の2つの結果が得られた。平成23年度の研究で研究対象とした長さOの奇ルートを持たない超リー代数は、あまり多くの興味深い例を含まない。しかしながら、今後一般のアフィン超リー代数に関する研究を進めるための一つのステップとして、本研究の意義があると思われる。これらの研究は、リヨン大学の庵原氏との共同研究であり、共著論文を現在と投稿中である。 なお、今年度の研究経費は主として、関連する図書の購入費、研究打ち合わせ旅費、数式処理システムのバージョンアップ費等として使用した。
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