2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21740008
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
古庄 英和 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 准教授 (60377976)
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Keywords | 基本群 / 混合Tateモチーフ / 量子群 / Grothendieck-Teichmuller群 / 多重ゼータ値 / KZ方程式 |
Research Abstract |
論文'Double shuffle relation for associators'は多重ゼータ値の関係式に関する研究論文である。多重ゼータ値の間にはdouble shuffle relationsとassociator relationsという二種類の重要な代数的関係式が有理数体上で成り立つことが知られており、これらはいずれも多重ゼータ値の代数的関係式のfullsetを与えているだろうと予想されている。Deligne-Terasomaの共同研究とは後者の関係式から前者の関係式が従うことを示そうとする研究projectである。perverse sheavesのmultiplicative convolutionという概念を導入して示していこうとするのが彼らのアイデアであるが、彼らのprojectは未だ完遂されていない。このprojectを完全に解決したのがこの論文である。証明のアイデアはDeligne-Terasomaの手法とは異なり、Chenのbar constructionの技術を用いるものであり、証明は短くかつ解法は非常に見通しのよいものになっている。この結果の帰結として、DrinfeldのGrothendieck-Teichmuller群からRacinetのdouble shuffle群への埋め込み射が得られる。この論文は最近Annales of Mathematicsに掲載されることが決定した。この研究を行った後、Deligneのアドバイスに従ってこの論文の結果をcyclotomicなケースに拡張し、preprintを発表した。こちらの帰結としては、Enriquezのcyclotomic Grothendieck-Teichmuller群からRacinetのcyclotomic double shuffle群への単射が存在することが従う。これら以外の研究としては、Strasbourg大学に何度か出向きB.Enriquez氏と混合五角形関係式と八角形関係式およびdistribution関係式の相関関係について共同研究を行い、preprintであるが共著論文を執筆した。6月には研究発表をしにMontpellier大学の研究集会に出向いた。この研究集会ではたくさんの結び目の研究者やKashiwara-Vergne予想の研究者らと交流することができ研究討議を盛んに行うことができた。特に今後の自分の研究の新しい方向性を確立することができたという面で、研究上非常に有益な機会であったと思う。
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