2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21740008
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
古庄 英和 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 准教授 (60377976)
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Keywords | 基本群 / 混合Tateモチーフ / 量子群 / Grothendieck-Teichmuller群 / 多重ゼータ値 / KZ方程式 |
Research Abstract |
多重ゼータ値の間にはdouble shufflere lationsとassociator relationsという二種類の重要な代数的関係式が有理数体上で成り立つことが知られており、これらはいずれも多重ゼータ値の代数的関係式のfull setを与えているだろうと予想されている。Deligne-Terasomaの共同研究とは後者の関係式から前者の関係式が従うことを示そうとする研究プロジェクトである。偏屈層のmultiplicative convolutionという概念を導入して示していくのが彼らのアイデアであるが、彼らのプロジェクトは未だ完遂されていないようである。論文'Double shufflere lation for associators'は、彼らのプロジェクトの最終目標を完全に完遂させるものであり、この論文はAnnales of Mathematicsより発表した。証明のアイデアは彼らの手法どは異なり、Chenのbar constructionの技術を用いるものであり、証明は短くかつ非常に見通しのよい解決を与えているものである。この結果の帰結として、DrinfeldのGrothendieck-Teichmnller群からRacinetのdouble shuffle群への非自明な埋め込み射が存することが従う。 この研究後は、Deligneのアドバイスを基にこの結果をcyclotomicなケースに拡張した結果を得て、論文を発表した。こちらの帰結としそは、EnriquezのcyclotomicGrothendieck-Teichmnller群からRacinetのcyclotomicdoubleshuffle群への非自明な単射が存在することが従う。 これら以外の研究としては、B.Enriquez氏と共同研究を行いbraided module categoriesより起因する混合五角形関係式と八角形関係式およびdistribution関係式の相関関係についての論文を発表した。 これらの研究について、5月にはLeidehのLorentz Centerでの研究集会、6月にはBonnでのMathematischeArbeitstagung、7,月にはDurham大学での研究集会で発表をした。 また、小森靖氏・松本耕二氏・津村博文氏と共同研究を行い、p進多重ポリログとp進多重ゼータ関数の間に存するある種の関係性について結果を得た。これについては1月に九州大学の集会で研究発表をした
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