2009 Fiscal Year Annual Research Report
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21740009
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小林 真一 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 准教授 (80362226)
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Keywords | p進L-関数 / Beilinson予想 / 岩沢理論 / L-関数の特殊値 / ゼータ関数 / 楕円曲線 / 整数論 / Birch and Swinnerton-Dyer予想 |
Research Abstract |
P進Beilinson予想は、モチーフに伴うP進L関数の存在およびその全ての特殊値を予想する非常に一般的で深い予想である。しかしながら特殊な場合においても知られていることは少なく,楕円曲線の場合に限っても,特別な場合としてp進Birch and Swinnerton-Dyer予想を含む深淵なものである.今年度は主に超特異素点におけるp進Gross-Zagier公式に関して研究を行った。この公式はp進L関数の微分値をHeegner点のP進高さと結びつけるものであり,P進Beilinson予想の特別な場合でもある.通常素点においてはPerrin-Riouによって20年以上前に得られていたが、超特異素点においてはこのような公式は知られていなかった。この公式はrankが1のときの(Fu11)Birch and Swinnerton-Dyer予想に関して著しい応用がある一方で、p進Beilinson予想に関してまったく非自.明で本質的に新しい例を提供する非常に重要なものである。またHeegner点はMotivicな対象でありEuler系を作ることが知られている。p進高さはp進theta関数と密接な関係があることも知られており、この公式を研究することはp進Beilinson予想を理解する上で非常に大切であると考えられる。今年度はこの公式の定式化および証明における重要なステップをほぼ解決した。Polylogarithmを用いたp進Beilinson予想の研究に関しては,慶応大学の坂内氏、東京大学の辻氏らとの共同研究をまとめた投稿中の論文2本の手直しを行い、最終的な受理を得た.
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