2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21740015
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
平之内 俊郎 Hiroshima University, 大学院・理学研究科, 助教 (30532551)
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Keywords | 高次元類体論 / 代数的K理論 / 分岐理論 |
Research Abstract |
本年度は主に次の3つの研究成果が得られた。 1. p進体上の曲線の類体論に関する研究:p進体上の曲線に対するイデール類群と相互写像を定義しその核と余核を決定することが出来た。の論文は執筆・投稿しMath. Z.に受理された。局所体上の類体論はこれまで、properな多様体を主に対象としていた。しかし古典的な類体論と同様に、今回の結果から開多様体でも同様の理論が展開できることが分かった。 2. 頂切付値環の分岐理論(田口雄一郎氏との共同研究):Groebner基底を用いたtruncated dvr上の加群の平坦性を特徴付ける、という論文を完成させ投稿した。Interdisciplinary of Information Sciencesに受理済み。また完備離散付値環とそのtruncationの拡大の成す圏がそれぞれ分岐を制限すれば圏同値になるというDeligneの定理(1984)を剰余体が完全で無い場合へ一般化した。この結果に関する論文を執筆し、現在投稿中。これは例えばノルム体の構成と言った局所体の分岐理論への応用が見込まれている。 3. 負の代数的K理論の研究(望月哲史氏との共同研究):本年度後半は主に、負の代数的K理論に関する研究を行った。当初の目的であったAbel圏に対する負のK群は自明、と言う予想(Schlichting予想)の解決には未だ至っていない。しかしある種のWaldhausen圏の弱同値から「擬弱同値」を定義してGillet-Waldhausen型の定理が新たに得られた。これにより完全圏の導来圏を「高次化」した三角圏が得られ、この「高次導来圏」のGrothendieck群でもって負のK群を記述することができた。この結果をフランス・ボルドーで行われた研究集会Sakura Workshop "Torsion of abelian schemes and rational points on moduli spaces"で発表した。また現在論文を執筆中。
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Research Products
(8 results)