2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21740015
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
平之内 俊郎 広島大学, 理学研究科, 助教 (30532551)
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Keywords | 高次元類体論 / 代数的K理論 / 分岐理論 |
Research Abstract |
本年度は主に次の研究成果が得られた。 1.p進体上の楕円曲線の積に対するChow群の構造について:多様体の0次Chow群は,代数体のイデアル類群の一般化と考えられて,この群について知ることは数論幾何に於いて大きな問題であって,これまでに様々な研究が成されてきた.ある種のAbel多様体の場合,この群の「有限性」については良く知られていたのだが,今回は特に楕円曲線の積に限って考えることでより詳しく,このChow群のAbel群としての構造を記述することが出来た.これには川内氏の形式群に付随するKummer写像の像に関する結果を一般化して得られたもので,これ自体,楕円曲線のSelmer群の計算といった別の応用が見込まれている. 2.Milnor K群に付随するフィルトレーションについて:上の1.の形式群の像の計算の過程である種の形式群に付随するフィルトレーション(の次数商)の計算が出来るようになった.これと同様な手法をMilnor K群に付随するフィルトレーションにあてはめることで,これまで知られていない場合のフィルトレーションの次数商を計算することが出来た.このMilnor K群とそのフィルトレーションは高次元局所類体論に密接に関わる群であって,今回の結果はそうした観点からも重要かと考えられる.もう少し詳しく述べると、1のp^n乗根を含む混標数Henselian discrete valuation fieldで付随するMilnor K群のフィルトレーションの次数商を剰余体の微分加群の言葉で記述することが出来た.これは正標数の場合は完全に解決していて,混標数で特に体が絶対分岐している場合が未解決であった.
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Research Products
(7 results)