2011 Fiscal Year Annual Research Report
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21740015
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
平之内 俊郎 広島大学, 理学研究科, 助教 (30532551)
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Keywords | 高次元類体論 / 代数的K理論 / 分岐理論 |
Research Abstract |
本年度は主に次の研究成果が得られた。 1.p進体上の楕円曲線の積に対するChow群の構造について:多様体の 0 次 Chow 群は,代数体のイデアル類群の一般化と考えられて,この群について知ることは数論幾何に於いて大きな問題であって,これまでに様々な研究が成されてきた.今回はサイクル写像の像と核をp進体上の楕円曲線の積の場合に考察した.とくに或る場合にはこの核が自明になりChow群の構造を具体的に決定することが出来た.また同様の手法を持って考察した、完備離散付値体に対するMilnor K群に付随するフィルトレーションの構造についての論文を完成させることができた。 2.加法的Chow群と染川K群の拡張について:半abel多様体(=abel多様体のトーラスによる拡大)に対して定義されていたMilnor型のK群を一般の可換代数群に拡張して定義を与え、特に加法群と乗法群に対するこのMilnor型のK群は絶対Kahler微分のなす空間と一致することが解った.これはふたつの乗法群に対するMilnor型のK群は体のMilnorK群と同型になるという染川氏の結果の「additive version」とみなすことができる.実際,MilnQrK群はmotivic cohomology群や高次Chow群の主要部分であったが,絶対'Kahler微分のなす空間もまたBloch-Esnault等による加法的Chow群の主要部分であった。今回の結果からこの両者の類似を明示的に表すことが出来た、と言える. 3.∞-categoryにづいて:J.Lurieによる∞-category及び∞-toposはこれから数論や数論幾何学への応用がみこまれる分野である.2011年4月に京都大学にて∞-categoryの研究集会を開催し、初学者向けの入門的講義を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
暴分岐を記述するべきモチーフ理論の雛形となるものが見つかり、今後の展開が大いに見込まれるため。
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Strategy for Future Research Activity |
可換代数群に付随するMilnor型のK理論を用いて加法的Chow群の理論を研究し、高次元類体論の暴分岐の部分との関連を調べる。
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Research Products
(2 results)