2011 Fiscal Year Annual Research Report
次数2のジーゲル保型形式に対するフーリエ・ヤコビ型球関数とその応用
Project/Area Number |
21740020
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
平野 幹 愛媛大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (80314946)
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Keywords | フーリエ・ヤコビ型球関数 / フーリエ・ヤコビ展開 / 保型L-関数 / ジーゲル保型形式 |
Research Abstract |
今年度は、次数2のジーゲル保型形式に対するフーリエ・ヤコビ展開と関連する特殊関数である、次数3の複素一般線形群GL(3,C)のクラス1でない主系列表現に対するホイッタカー関数の保型形式論への応用について研究を行い、特に保型L-関数に関連したゼータ積分について昨年度までの結果を進展させた。 フーリエ・ヤコビ展開に必要な特殊関数であるフーリエ・ヤコビ型球関数の理論については依然として未完であるが、これまでに様々な一般球関数についての類似研究を進め、一定の成果を上げてきた。今年度の成果はこれまでに得られた類似研究の成果の応用であり、フーリエ・ヤコビ型球関数の理論とも関連が深く意義がある。今年度はホイッタカー関数の明示公式、およびこの明示公式を活用したGL(3)×GL(1)に対するアルキメディアンゼータ積分についての昨年度までの成果に引き続き、GL(3)×GL(2)に対するアルキメディアンゼータ積分を考察した。得られた成果はゼータ積分が消えないような適当なベクトルがGL(3)およびGL(2)の主系列表現の極小K-typeから取れる場合の複素素点におけるゼータ積分の評価である。一般の場合の評価はGL(3)×GL(1)の場合と同様に困難を極めるが、次に取り組むべき今後の課題であろう。
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