2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21740027
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
齋藤 夏雄 広島市立大学, 情報科学研究科, 講師 (70382372)
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Keywords | 正標数 / 代数多様体 / 有理二重点 / 変形空間 / 準楕円曲面 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、変形空間において同特異な部分空間を持つような有理二重点についての研究を行った。低標数において有理二重点が持つ非自明な同特異空間の構造を決定するため、チュリーナ数によって定まる層化が代数的であることに注目し、各有理二重点の変形空間においてチュリーナ数が最大の値をとるような空間について調べて分類した。さらにこれに含まれている同特異空間を、標数3以上のすべての有理二重点について計算した。この結果から、標数3以上において標準特異点を持つ3次元代数多様体における有限個の点を除いた部分での局所的な記述は、標数3において2つの例外があるのを除けば、標数0と同様に表せることが明らかになった。こうした変形空間の分類は、低標数の代数多様体の構造を解明するうえで重要な意味を持つと考えられる。この成果については、伊藤浩行氏(広島大学)・廣門正行氏(広島市立大学)とともに論文にまとめて現在投稿中である。またこれと平行して、準楕円曲面の多重標準因子がなす写像がいつ構造射となるかについても研究を行った。これは桂・上野によって楕円曲面に対して考えられた問題の応用であり、標数3についてはすでに解決しているが、標数2についてはまだ最終的な結果は得られていない。これは今後の研究課題である。 これらの研究成果について、法政大学や関西学院大学で行われた研究集会において発表した。また、国内外の研究者と議論および情報収集を行うことを目的として、群馬県の玉原高原で行われたセミナーや城崎でのシンポジウム、山形大学・高知大学・九州大学で行われた研究集会などにも参加し、参加者と活発な議論を行った。
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Research Products
(1 results)